無職中年、冒険の書 2nd

amebaownから移動してきました。

DAY153 アジアスパイシー紀行⑦ バンコク①

さて、濃いめの想い出のつまったスリランカも今日でお別れ。

 

今日は大移動です。


スリランカの内陸部のキャンディからコロンボに出て、コロンボ駅から空港に移動、それからタイ、バンコクへ向かいます。

 

フライトは14時半ですが、なにせキャンデイとコロンボを結ぶ電車は来るとき1時間遅れた前科がありますのでドキドキです。

 

キャンディ発は6時15分。もう少し遅いのはないのかというと次の特急は正午ですのでアウトです。

 


朝5時半、宿を出るとそこには例の使えない宿のオーナーが。


実は昨日シギリヤに行く際、「朝は僕のトゥクトゥクでバスステーションまで送るよ!」と前夜豪語したものの朝見事に寝坊し僕を10分待たせ、こりゃ普通じゃ間に合わんと察したのかローカルバスを乗り継いで超ギリギリ間に合わせるという離れ業をやってのけた彼。

(しかも普段はこっちが英語わかるっちゅうねんと言ってもわざわざ翻訳アプリ使って日本語にして倍の時間使わすくせに、テンパってるからスリランカ語で話しながら一人先を行く始末)


既に信頼度は0%ですので、昨夜のうちに料金を支払って、「自分で駅まで歩いていくからいい」と伝えてあったのですが。


こうやって、やらかしたのち無理やり挽回しようとするあたりも使えない人の特徴です。
いや、だったらもう15分ゆっくり出てたわい、と。


で、いつの間にか「僕のトゥクトゥク」のはずが、そのへんのトゥクトゥクつかまえてきています。そんでもって一緒に乗り込んできます。
お金を払ってくれたからまあ文句も言えないのですが。

 

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とんでもない音量で読経が流れる早朝の駅前。

 

さておき早すぎるくらい間に合った電車。
来るときは1等車。
でも帰りはいっぱいで2等車。

 

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何が違うのかというとまあエアコンがないのと椅子のクオリティが結構落ち、地元民率が90%を超えるくらいでしょうか。

あと、電灯がつかないとか。


エアコンなんてなくてもいいのです、どうせ扉は開けっ放しなので、いい風が吹きこんできます。
これで価格差は1000→350。

650ルピーもお得です。

 

さて今日はどのくらい遅れるかなあ、とドキドキしながら乗車。
朝も早かったのでしばらくすっかり寝込んだあとグーグルマップで現在位置を確認したら・・


予想に反して順調。


結果時刻表通りに9時前、2時間半で到着です。
いいことなんだけれど、むしろ時間余り過ぎ。

今空港に行ったところでチェックインもさせてもらえません。

 


何かやってないかなーとぶらぶらしていましたらバスステーション周りの市場が開いています。
ルピーが少し余っているので、初日にぼくの計算ミスで買えなかったTシャツでも買うとします。


洋服屋は1つのならびに何軒もありますので、目の前から飛び込んでいきます。

「メンズのTシャツあるか?」
店「あるよ!」
アディダスあるか?」
店「あるよ!」
「XLあるか?」
店「え、えーと・・あると思ったけど・・どうかな・・」

 

結局ありません。


店「Mじゃダメか?」
いやお前の目の前のやつの腹を見てから言え、いいわけがないだろ。
店「じゃあこれはどうだ?」

「また象柄かよ!!」

 

なんだよ僕に着れるものは象しかないってか。

仕方ないので隣の店へ。
しかし、まるで台本があるかのように全く同じやり取り。


こっちも面白くなっちゃって半分嫌がらせのように同じことを5軒くらい繰り返していたところ、どうやら裏で情報が回ったらしく。

 

アディダス・・」
店「ねえよ!(食い気味)」
「いやXL・・」
店「だからねえって!」

 

と、すっかり門前払いされるようになりました。
どうにも僕とスリランカの市場は相性が悪いらしい。

 

 

朝からエンジン全開の凶暴な日差しのもと、15㎏の荷物を背負ってこれ以上不毛な商談をしても仕方ない、ということで、まだまだ時間は早いのですが空港へ。

 

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行きよりはまともな見た目のバス。


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チンタラした手続きで世界的に有名なコロンボの空港も何故か今日はスムーズ。


おかげさまで起床から6時間後、無事に移動とフライト準備完了し、残り3時間を持て余す結果となりました。
慌てるよりは全然いいけれど。

 


そんなわけでなんだかんだとレストランでカレーを食べて暇をつぶし、また相変わらずの機内食でカレーと、行きの飛行機から何も学習しないままカレーを立て続けに2食摂取していたら次の目的地へ。

 

 

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ここはタイ、バンコク
想い出深いスリランカではありましたが、やはりバンコクの都会っぷりに少々ほっとしています。


というか、田舎か都会かではなく、秩序があるかないかでしょうか。
ここにはちゃんと秩序があるようです。

 

タイ語なんて欠片もわからないけれど、日本人が死ぬほど行ってる場所だし大丈夫だろ?と余裕ぶっこいてましたが、本当に大丈夫です。


全部日本語訳、とまではいきませんが、交通機関には簡単な英語は必ず付随しているし、
繁華街へ行けばこんなです。

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まるで北関東郊外のよう。

 


さて、バンコクといえば世界有数の歓楽街。


今回、怖いもの見たさというか遊びやすさというかもろもろひっくるめ、バンコクらしさを一身に受け止めたくて繁華街のど真ん中にホテルを取りました。


地下には有名な出会い系カフェ(テーメーという名前)があるという、いかがわしさ満点のホテルです。

 

「テーメーにはレディボーイ(おかま)がは入れないから、カフェの前にはレディボーイが大勢、客を引こうとたむろしています」
どんなネット記事を見てもそう書いてあります。

 

MRT(地下鉄)ナナ駅を降りて5分ほど。
見上げるとホテルの看板が少し向こうに見えてきます。
おお、と思い歩を進め、ホテル下に着くととそこには。

 

15人くらいのおかまちゃんの群れ。
(写真なし。というか撮るのは夜遊びのモラルに反します)


元野球部でした!系の、ごくわかりやすい人もいますが、3度見するくらい可愛らしい人もいます。

 

そして気持ち悪いのが、ホテル前の階段に座り込んでそのおかまちゃんたちをただ眺めている男たち。
ほぼアジア人、というか日本人ですね。10人くらい。

 

おかまちゃんと楽しく話をしている人はいいんですよ。
ただじっと観察しているおっさんは何をどうしたいのか・・・。
勇気があるのかないのかわかりません。

 


チェックインをしにフロントへ。
チェックインをしている間も、何組もの日本人が女子を連れて部屋に上がっていきます。
現在夜9時、ちょうどお遊びのピークタイムのようです。

 

他人の好みというものをあまりまじまじ観察することはありませんが、こうして何組もおりますと、あー、それは行くわ、いい選球眼ですわー。と、思わず同調する方から、え、あー、それ行けるんだ・・という方まで様々です。
大きく分けると、現地の方志向と、日本人っぽい子志向に分かれるようです。


荷物を置きシャワーを浴びたら、とりあえず僕も出撃です。


・ソイカウボーイ(東に徒歩10分、ゴーゴーバー通り)
・ナナプラザ(西に徒歩10分、ゴーゴーバーがショッピングセンターみたいになってる)
・テーメーカフェ(ホテルの地下)

徒歩範囲ではこの3つ、バンコクでも有名なところばかりです。


なお、本当にどうでもいい話でしょうけれど、性的な欲求は今は全くありません。本当にどうでもいい話でしょうけど。

 

理由①、スリランカで微妙に崩れっぱなしの体調。


理由②、僕の天邪鬼の発動。
ホテルを出て繁華街を歩けば、いたるところから日本語が聞こえてきます。
若者もいれば、偉そうなおっさんを筆頭に歩く腰ぎんちゃくグループまで。
みんなどこそこの店が、とか、お姉ちゃんが、の話をしています。

 

 

ヘイそこ行く日本人、お前のそのパンパンのリュックには下心と何が詰まっているんだい?

 

思わずつぶやいてしまうほど、みんなパンパンのリュックやバッグを肩から下げて、薄汚い言葉を吐きながらせわしなく通り過ぎていきます。

 

スリランカスペシャル編でも言いましたが、僕は別に夜遊び反対派でもなんでもありません。
むしろ遊ぶほうです。

 

でも、なんでしょう、こういうふうな「せっかくタイに来たからにはおじさん羽目を外しちゃうぞー」的なたたずまいが、なんかセコいというかさもしく映るんですね。

 

エロスってやつは、もっとこう、秘められたものじゃなきゃ、コクがなくっていけねえや。
などと、オープンな場がゆえに、捻くれ根性発動です。

 

 

だから今日は飲むだけ。


特に予備知識もないのでソイカウボーイから行ってみましょう。

 

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堂々と写真を撮るのもマナー違反なのでこっそり撮りましたが、こんな感じが100mほど続く通りです。

お店の前には水着姿の女子が勢ぞろいです。
眼福。

 

 

さてどうしたもんかいなと思っていたら、ふと2人組の女子と目が合いました。
なのでそのお店に入ってみることとします。


店のど真ん中にお立ち台、明らかにゴーゴーです。

席についてビールを頼んだら、横にその2人が座ってきます。


あれ、こういうもんなのかな??
いや、店も暇だから付けてきやがったな。
などと、タイは初めてながら盛り場の経験値は高いので全てを察します。


まあいいか、どうせならこのへんの情報収集をしましょう。

しかし話し始めて5分もすれば「私を持って帰れー、持って帰れー」の嵐です。


うるせえです。
そもそも今夜がそんな気だったとしても、君たちは残念ながら好みではありません。

 


そんな持って帰れ攻撃をかいくぐりながら、この街でどんな風に遊べば楽しいかのヒアリングは大体済みました。

 

「んじゃあ帰るわ、チェックで」
1時間くらいで2600バーツ、日本円で9000円くらい。


安くはない。けれど、キャバクラだったと思えばまあ納得。
納得しつつも、この1軒でソイは退散。そしてもう来ない。
こういう営業に合ってばかりじゃ財布が終わってしまいます。

 

 

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途中、たまたま見つけた路地裏のローカルの露店で夕食をとり(結局ここはその後行きつけになった)、ナナプラザへ移動。

 

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うわお。


思わず声が出てしまった。

つくりは小型のショッピングセンターのようなもの。


センターコートはゴーゴーではない普通のバーで、それを取り囲むフロア、地上3階建てにゴーゴーの店舗がずらりと並んでいます。


いずれも大箱というのはないようです。

後でわかったのですが、大体大きくても客50人くらい、小さければ20人くらいでいっぱいになるような大きさです。

 

こんな作りならフロア1つどかんとぶち抜けばいいのに、とも思ったけど、要は女の子たち(と、おかま)の棲み分けをしている模様。

 

日本人好みの色白小柄。
白人好みの大柄年齢高め。
地元顔ぞろい。
女子寄りのおかま。
男子寄りのおかま。

 

店が暇であぶれた子たちが店の外でたむろしていて、多種多様。

人間の業ってやつは根深いのう、と思いながらぶらぶら見て回ります。


日本人向けのお店はすぐわかりますね。
だって看板が既に日本語だから。

 


どんだけ日本人来てるんだよ、と思いながら、そのうちの1つに入店。


納得。
ステージの上で踊る女の子たちは、地元顔ではなく日本人寄りのややエキゾチック。
色白小柄からスレンダー巨乳まで、まるで「お前たち好きなのこれだろ?日本人」と言われてるみたい。

ええ、好きです。

 

そして客席を見ると、やはり日本人ばかり。

女の子を席につけている人もいるけど、1人でだらりと飲んでいる人もいます。


やっとゆっくりできそうだなあ。

 

座ってビールを頼みます。


「気に入った子はいるか?」と途中何回か聞かれますが、「NO.」とジェスチャーしたらそれ以上は押し付けてきません。

 

 

1人ぼっちのおっさんが、腐った魚のような目で、ただただステージを眺めています。
ステージで踊る、と言っても、ちゃんと踊っている子なんか皆無。

みんな自分の下着に番号札を付け、それを見せつけながら、ふらふら体を揺らしているだけ。
深い海の底から、熱帯魚が泳ぐ様を見ているような錯覚を覚えます。

この世の現なんかどうでもいいと思えるような。

 


歓楽街において、アッパーな気分になるのもいいけれど、僕はこうして沈むほうが好きです。
ときどきこうすることで、ストレス発散になります。

 

周りに数人、似たような焦点の合わない目でぼうっとステージを見ている人がいます。
居住まいからして、旅行者ではなさそうな。
もしかしたら、いわゆるタイに沈んじゃった人たちかもしれません。

 


でも、その気分わかるよ。
底の底まで沈んでしまいたい気分のときもあるよね。

 

 

こんな調子で5軒ほどはしご、ただただ1人でビール。
ちなみにそれだけならだいたい一軒で160バーツ、日本円で約600円。
なんて無益で有意義な時間と金の使い方。


ほどよくどろりとした頭でホテルへ。
エレベーターに乗り込む前にふと思い立ち、地下のテーメーに降りていきます。

 

 

地下はぶち抜きのワンフロア、結構な広さの空間。
壁際と真ん中のいくつかのテーブルやカウンターに、女の子が100人弱ずらりと並んでいます。


男は入店してすぐのカウンターで飲み物を買い(買わなくてもばれないだろうけど、入場料代わりのお約束です)、全員お約束のように時計回りでカフェ内を回り、壁際の女の子たちを物色しています。


まるで腐れた水族館の、回遊魚のように。

 

 

女の子たちがどんな子なのかというと、主に、ゴーゴーなどには属さない、属せない個人娼婦であったり、ゴーゴーを上がって手っ取り早く稼ぎにきた嬢、そして本当に素人の子がほんの少しだそうだ。


一見しただけではどの子がどうかなんてわからないものです。

 

目くばせしてくる子もいれば、ただただ無表情で立っているだけの子もいます。


真ん中のカウンターで女の子の隣に腰を掛ければ、話しかけてきたり何もないようにふるまっていたりと様々。

 

ここも日本人男性が多い。


どうしよう俺、だの、あの子可愛い、だの、いろんな声が聞こえてきます。

 


隣に座っている女の子と目が合った。
もう時間は午前1時前、閉店の時間。


今まだここにいるということは、今日はお客が付かなかったのだろう、最後のワンチャンに縋る目でこちらを見てきます。

 


まあ、うまくいく日ばかりじゃないよね。

 


どうせわからないだろう日本語で、でも聞こえるくらいの大きさで呟き、バイバイ、と手を振って出口へ。

 


ここで人生を破滅させてしまう日本人も多いと聞くが、なんとなく気持ちはわかります。

ここには一見薄汚いけれど、のぞき込まずにはいられない人間の業が渦巻いているから。

 

ちょっとここでゆっくりしようかな、と決めて、今日はただ寝ます。

 

 

【今日のワンポイント経験値】
本文にてだいたい遊び方はわかっていただけたと思います。

 

【今日の支出】
スリランカ
・食費 3150RS
・電車 440RS(日にち変更代90含む)
・バス 150RS
合計 3740RS

(タイ:バーツ=3.5円)
・食費 100THB
・宿泊 1320THB
・携帯 299THB
・電車 78THB
・飲み 3600THB

 

【今日の1曲】
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