無職中年、冒険の書 2nd

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DAY147 再起動:アジアスパイシー紀行① クアラルンプール

お久しぶりです。

 

前回の旅から、ちょうど2カ月が経ちました。
もともと読んで下さる方の少ないブログですが、それでも1週間で0件になることなくお読みいただいているようです、ありがとうございます。

 

さてこの2か月はといえば、次の仕事につながることを模索しながら国内をぶらぶらしていることが多かったです。


が、それは言い訳で、日本はやはり居心地がいいので、すっかり外へ出る気がなくなってしまいました。
あとはアジアを回れば僕の世界一周プランはほぼ達成なのですが、もう面倒だな、などと思っていたりして。

 

 

ですが、たかが2か月、されど2か月。
短いように感じられるこの日数ですが、人生に良くも悪くも転機が訪れるには十分な時間です。
よくよく考えたらあれだけ多くの出会いと別れがあったカミ―ノでさえ1か月。
その倍の時間があったらそりゃあいろいろあります。いろいろ。

 

というわけで、神様に背中を押されるように手配を進め、今日、再起動した次第です。
年末年始の都合もあり、1か月にも満たない日程ですが改めてどうぞよろしくお願いします。


さて今回のアジア旅、主目的は「料理修行」。
僕はこの先飲食店を生業としたいのです。
そして一番やりたいことはカレー屋なのです。


ということで、行程は以下。

クアラルンプール(KL)→スリランカ→タイ→香港→台湾を南から北へ縦断

その間、スリランカとタイと台湾で料理教室に赴きます。
KLは乗り継ぎと食べたいものがあるから1泊、香港は元の会社の友人と合流するから完全にお遊びですが、あとはそれぞれ、何かしら前に進まなければと。

 


出会いも別れも、成長につなげなければただの無職になってしまう。
悲しいときこそ歯を食いしばって前へ進む、これが冒険する無職中年魂。

飛べない豚はただの豚だってポルコも教えてくれたじゃないか。

 

さてKLへは真夜中のエアアジア羽田便。


さすがLCC、足を変に曲げないと寝るに寝られず、右ひざが悲鳴を上げ始めた7時間半後、ようやく到着です。


窓の外を見れば一面のジャングル。
そう、KLは都会のイメージが強いですが、基本マレーシアですからジャングルです。
マレーシアといえば、森の王様ことオランウータン様の生まれ故郷なくらいですから。

 

 

久しぶりの異国の地。
さてさてようやく身についた英語力も2か月で相当落ちただろうなあ、と思っていましたがスムーズに全てが運びます。


もちろん、一度旅慣れたことで勘ができているのもあります。
英語も、まあまあ理解できるくらいには忘れていません。
しかし何よりそれ以上に、日本語の案内が多い、これに尽きます。

 

マレーシアに邦人のイメージはなかったのですが、どうやらKLには特に建設関係の日本企業の進出が多いようで、街中の工事現場でも日本企業の看板をよく見かけました。


どうやら中心部近くにはららぽーとまでできるみたいです。
まだまだ元気だなあ、日本企業。

という感じで全く違和感を感じないまま空港からの電車に乗り込むと、20分くらいはジャングルの中を進みます。

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これはなかなかの絶景です。
窓が汚くてぼんやりとなってしまうのが興醒めですが・・・。

 

そして空港を出て30分強、ジャングルを抜けて大都会になったと思ったらKLセントラル、まさに中央駅に到着です。

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そこから若干迷いつつ、ファミマのおでんなど冷やかしながらもモノレールで10分強、少し歩いて本日のお宿到着。

 

 

まだ昼前、チェックインできないので早速昼食です。

 

「肉骨茶(バクテー)」

もともとシンガポール料理なのかな?

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字面だと何者だという感じですが、スペアリブと内臓を漢方で煮たスープです。


スパイス料理に分類され、これから日本でもクルらしい(元後輩にして関西カレーブロガー、ハラデリックくんの意見)。


で、お味はどうなのよという話。


内臓の処理は完璧です。臭みがここまでなく味わいが残っているのは珍しい。
お肉もバサついていないし。
スパイスといっても辛いとか臭いではなく、甘めの醤油味にほんのり香るくらい。

 

 

なのですが・・・
そのまま持ってきても売れないだろうなあ、という感じです。
全く日本人の口になじまない味なのではありません。


むしろなじまないほうが、珍しさで売れる可能性は高いです。
けれど、この肉骨茶なるもの、日本人になじむ味ながら、どこかで「コレジャナイ感」があります。


そう、関東の人が鱧に対して感じるのと同様の微妙なチューニングのずれです。
肉骨茶に対し興味をもって食べた人は気にならずに美味しく頂けると思います。


しかし、食というのは保守的な人が多いものです。
保守的な人はきっと、肉じゃがの汁とかそういうものの記憶と照らして2度目は避けるのではないか、と思わせるお味でした。

 

 

僕は好きだし、食への挑戦の機会が多い都市ではいいと思いますが、仙台ではこれを主力にはできないなあ、などといっちょ前に生業面していますがそこはご容赦ください。

 


ついでにこの流れで夕食も。
「ナシカンダール」(+名前忘れたけどカニを揚げたやつ)

日本では聞かない名前ですね。


ナシカンダールというのは、好きに選べる定食だと考えればいいでしょうか。

日本では半田屋(東北)ですとか、〇〇(地名)食堂チェーンのように、並んでいるおかずを自分の好きに取って定食にする方式。

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トルコではロカンタと呼ばれる形式のお店がそうです。好きなおかずを指させば一人前ずつお皿にとってくれて、おかずの合計金額を払います。


なお、ここはこの方式の料理では有名なお店らしいなのですが、それでもお客は地元民が9割以上です。
地元民が大好きな味というものはいいものです。


注文プロセスはこうです。
店の人が大皿のど真ん中にご飯を盛ってくれます。
あとはこちらが、カウンターの向こう側に並んでいるおかずをあれだのそれだの指さしていくとご飯にぶっかけてくれます。

 

じゃあこの、各国によくある方式なのに何がこんなにも僕の心を揺さぶるかというと、おかずの全てがカレー(味)だからです。
ちなみに具が変わるとカレーのベースの味も大なり小なり変わります。

その細かな違いを楽しみ、ときに混ぜながら食べ進めるのが、これがもうたまらんわけです。

 

いや別に彼らはカレー屋を営んでいるつもりはなく、普段のおかずがカレー味なだけなのですが、カレーラバーとしては夢のようです。

 

そして僕が適当に指さした結果の定食がこれ。

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写真上から時計回りに
・鳥(小さい鶏が丸ごと)

・冬瓜

・小さいヤリイカ

・ハチノス(牛モツ)
・卵(ゆで卵をさらに揚げて和えてある)

 

意外と辛くない(いやもちろん辛いけれど、想像していたよりは全然)。
そしてスパイススパイスしていない。むしろ「あれ、これカレー粉じゃん」とわかるS&B味のものもあり。


それでも日本で食べるものとは別格の旨さ。

 

結局料理ってDNAというか生活ベースの中で作るもので、小難しく考えてもむしろ良くないんだよな、と、これが真理なのかどうかわかりませんが、なんとなく自分が今入り込んでいた思考の迷路から脱出する術が見えたような気もします。


そしてそれとは別に1皿。
インスタ映え皆無のさすがローカル食堂。
料理カウンターに無造作に並んでいたそれは、そう、ワタリガニ

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まるごと揚げてあります。
1匹でナシカンダール1皿分くらいの値段なので、お高いやつです。
といっても日本円で500円くらいなのですが。

 

真っ赤なので、辛いかなーと躊躇していたのですが、これが全然。


何だろう、パプリカ程度の味わいです。
塩気も弱めで、ひたすらカニ味です。
でもこの謎のソースがなければ旨くないのはわかります。


何だろうこれ。
って、それを学びに来たはずですが、わからんもんはわからんのです。

 

とまあこれだけ食べて、この店では高級品のカニもいただいてコーラも飲んで、それでも日本円で¥1200程度。
なんて天国のような国でしょう。

 

そしてお店を出る前にひとチャレンジ。
コーラにどうぞと出された氷入りグラス。
飲み水に気を付けていたけれど氷で腹を下したというのは東南アジアあるあるです。
僕も結局グラスは使わないでいた、のですが。
周りを見れば当然ながら地元民は氷に入れて飲んでいます。
悔しいんですこういうの。地元民になりたいと思ってしまいます。
おもむろに溶けた氷水を飲み干し氷をかじります。


さてこれでどうなることやら、と思いましたが、翌朝現在むしろ快調です。
頑丈に生んでくれて本当に親に感謝です。

 

というわけで、今回の旅の目的である料理の学習&習得については順調な滑り出しをしたのでした。

 


それにしても暑い、さすが赤道近い国。
出てきたときの仙台は13度くらい。
半日後には31度。
数字逆にしただけじゃんとはいかないわけですよ。
体が冬に慣れていた分きついのと、あとは湿度です。


前回の旅の間、ギリシャなどで40度近い気温もありましたが湿度はなくカラカラ。
これは耐えられます。


が、この、日本の夏もかくやの湿度。
僕はこれが一番苦手です。
だから日中、観光しようと10km程度歩いただけでダウン。


なので観光は少なめです。
その国を知るには宗教を知るべし、これは前回学んだことです。

 

① スリ マハ マリアマン寺院(ヒンドゥー教
いきなりスパイシーで濃いめな塔が現れました。

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なんだか賑やかな音楽も鳴っていると思ったら、結婚式がちょうど終わりかけのところのようです。


新婚夫婦のいでたちは、インドの映画で見るようなやつそのもの。
多くの親戚がその周りではしゃいでおります。


神様も、どうやら普段あまりご開帳しない神様らしいのですが今日は思いっきり顔を見せています。


いやツイてるなあと思いながら神様を拝んでいると、順番に近づいてきた祭司(上半身裸で裸足というありがたみの薄い祭司ですが)が「お前もやる?」と。
何のことやらわからないのでyesって言ったら、おでこの真ん中に紫の粉をこんもり塗られました。


しかしこのあと、お寺にいるヒンドゥー教徒みんな僕を受け入れてくれたのはよかったです。
さすがに「集合写真入ってけよ」というのは固辞しましたが。

 

 

② 仙師四師宮
こんどは道教です。人は少なめでした
台湾で見たことのある本格的な形式です。
この2つが徒歩3分圏内にあるというのが、ここマレーシアの多民族国家を表しているのでしょう。

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③ マスジッド・ネガラ
そして最後にイスラム教です。
このころには湿度にやられてもうろうとしていました。

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とまあ観光はもうこれでいったん切り上げ、夜にご飯を兼ねてツインタワー見てKLはおしまい。

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また機会があればゆっくりしてもいいけど、KLだけでがっつり観光という感じでもないかな、と。
でも日本人が観光しやすい国だと思います。


【今日のワンポイント経験値】
そんなKLで1つだけストレスなのが、交通量に対する横断歩道の少なさ。


基本みんなどこでも道路を横断するからいいという雰囲気ですが、片側3車線級の幹線道路にも全然横断歩道や歩道橋がなくそこかしこを渡れ、しかも運転はかなり乱暴。


これはいささかストレスです。


しかし待っていては一生道路を渡れませんから、思い切って行くかあとは徒歩をやめましょう、としか言えません。

 

【今日の支出】
マレーシアリンギット=RM (1RM=27円)
・食費 97RM
・宿泊 41RM
・交通費 113RM
・その他 1RM
合計(飛行機除く)252RM 

 

飛行機 羽田-KL  ¥24000

 

【今日の1曲】
Lemon / 米津玄師