DAY104 南米北上紀行⑥ イースター島④ 空想
寒い。
1週間前に暑くて吐きそうと言ってたことが懐かしくなるくらい寒い。
何をしているかと言いますと、夜明け前の真っ暗な朝7時、気温15℃の中バギーを駈っています。
既に2回訪れているトンガリキですが、朝焼けが綺麗なのよと聞いてしまったら行くしかないよね、ということです。
それにしても地図を信じて8km。
真っ暗闇の海岸線(もちろんガードレールはありません)なので、平均時速は30km強。
信号などないので計算だったら15分やそこらで着くはずです。
でも着いたのは40分後。
いよいよもってこれはおかしいとメーターを見たらその距離、16km。
くねった道だから?
いやそれもあるでしょうが、根本的に地図の尺間違ってるんじゃないか??と思います。
つまり初日、25kmのつもりで一向にたどり着かなかった距離はほぼ50kmだったわけです。
そりゃあ死にそうにもなるわ。
という謎が解けたのはいいですが、計算が狂ったのでもうすぐ夜明けです、急がないと。
朝焼けは夕焼けと違って一瞬の景色。
昨日の野良モアイと出会った時と同じです。
彼らはこの毎日を過去千年、未来何千年と続けていくわけでしょう。
人間の思惑なんて小さいもんです。
太陽が出て少し暖かくなったとはいえまだ寒い朝の空気の中を一旦ホステルに戻り、最後にとっておきの遺跡へ行ってこの旅はコンプリートです。
場所はトンガリキの近く。
8kmではなく16kmだとわかって走る分には恐れることはありません、4分の1以下の値段の自転車に借り換えて出発です。
<Rano a raraku>
モアイ製造&出荷工場なんですと。
この風景が一番ポピュラーに知られているモアイなのではないでしょうか。
モアイも時代によりデザインが変わってきているようです。
旧世代:今立っているもの。
顔が四角くてずんぐり、上半身のみモデル
新世代:顔がシュッとして鼻も高いイケメン。埋まっているからわからないけれど、切り出し途中のものを見ると背が高い
妄想は時代を超えます。
ここで若手クリエイターたちが、部族からのオーダーを受け、新しいデザインを開発している姿。
東の部族と南の部族、出荷の際のルートの分岐を山の上から指示する工場長。
そしてこの工場の山の片隅、トンガリキを望む斜面にひっそり、全く新しいタイプのモデルが座っています。
正座です。
顔立ちも新旧どちらとも違います。
ここは突出した個性派クリエイターのオーダーメイド個人工房?
トンガリキの旧世代の傑作を遠くに見ながら、自分のデザインのモアイが世を席巻する未来を夢見た人がいたのか?
いや、いたっておかしくないはずです。
1000年前でも人は人。
夢を見たり破れたりしながら未来へ進もうとしたのではないでしょうか。
勝手な想像ではありますが、人間というやつは変わらないな、と、安心してしまいます。
そんな妄想を働かせていたら気づけば3時間。
名残を惜しみつつ帰路につきます。
夕方には三たび、Tahaiへ。
夕焼け自体は昨日の方が凄かったかな。
明日の午後には飛行機です。
長旅の中、非日常が日常になってしまって感情や感動のアンテナは鈍っていきます。
でもそのアンテナが磨き直されたように、心がたくさん動いた新鮮な4日間でした。
願わくば、次は感動を分かち合える人と来たいなと願ってやみません。
ありがとう、面白い島でした。
<今日のワンポイント経験値>
① 郵便局情報
先日書きましたフリーwifiの公園のある交差点を海方向に下って100m、そこに小さな郵便局があります。
そこでは以下のものが手に入ります。
・モアイスタンプ
パスポートにも押せます。
カウンターのお姉さんに「スタンプ押させて」と言えば出してくれます。
・イースター島切手
これでエアメールを出せます。
大事な友達でも、自分宛でも、旅先から手紙などどうでしょうか。
② レンタサイクルの話
レンタカーやレンタルバイクの店は小さい店はたくさんあります。
大きい店はメインストリートの真ん中あたりに2軒並んであります。
フリーwifi公園から空港方向に進んで左側です。
で、同じ向きで手前の店より奥の店の方が若干安い(バギーやバイクも)。
かつ、自転車についてはこっちの店の方が軽めで乗りやすいタイプです。
手前の店は二千円上乗せすれば軽いタイプになりますが。
でも愛想は手前の店の方がいいです。
どちらを選ぶかはあなた次第。
<今日の支出>
・食費 28000p
・宿泊 25000p
・ガソリン 5000p
・自転車 8000p
合計 66000p
<今日の1曲>
合法的トビ方のススメ / Creepy Nuts
日本広しといえども、イースター島×自転車×爆音でクリーピー×45歳は自分だけなはず。
自分の精神年齢がよくわかりません。